English Pageお知らせ 「国際原子力機関（IAEA）事務局長 天野之弥氏のご逝去を悼んで」
国際原子力機関（IAEA）から、事務局長 天野之弥氏のご逝去が全世界に伝えられました。
一般社団法人日本核医学会は、生前のご支援に感謝し、深い哀悼の意を表します。
第57回日本核医学会学術総会（井上登美夫大会長、横浜）に際し、外務省、文部科学省を通じて、天野事務局長に特別講演を依頼いたしました。大変お忙しいスケジュールの中、来日いただき、原子力の平和利用・人類の発展のための利用についてご講演いただきました。最も重要な分野のひとつが医療への放射線・放射性同位元素の応用であること、IAEAは発展途上国への放射線医学・核医学の普及を推進していること、そのためには人材育成が鍵になること、日本核医学会には教育・人材育成での協力をお願いしたいこと、などお話しいただきました。
横浜で、天野事務局長と親しく一日を過ごしました。英語の演説が苦手であったこと、俳優さんをコーチにして演説や立ち振る舞いのトレーニングをしたこと、携帯電話が一時行方不明になり控え室中を二人で探したこと。
日本核医学会会員との昼食会にもご出席いただき、発展途上国に目を向けた日本の医療技術の海外展開、情報発信に期待していることなど、激励いただきました。
IAEA・外務省・文部科学省・内閣府の支援のもと、日本核医学会は核医学に関する国際教育ワークショップを毎年開催しています。昨年11月にはIAEA・国内11大学医療機関核医学教育コンソーシアムが発足し、その初めての活動が7月22日国立精神神経医療センターで始まりました（松田博史 日本核医学会理事）。アジア各国から多くの若手核医学医師が参加しています。
日本核医学会は、2022年世界核医学会学術総会を主催いたします（大会長 絹谷清剛 日本核医学会理事）。原子力の平和利用、医療への応用、そのための人材育成、IAEA天野之弥事務局長とかわした約束を少しでも果たしたいと思います。見守っていてください。
一般社団法人日本核医学会理事長
大阪大学名誉教授 畑澤 順
