二重出版に関する日本核医学会の方針
二重出版に関する日本核医学会の方針
科学論文の重複発表は、原則として許容されません。
当然ご存じのことかと存じますが、日本核医学会では、学会員・読者・投稿者・査読者の皆様に、改めて注意を喚起することといたしました。投稿に際しては、下記の点に十分ご配慮くださいますようお願い申し上げます。
日本核医学会編集委員会では、国際医学雑誌編集者会議の方針(http://www.icmje.org/publishing_4overlap.html)に則り、“Annals of Nuclear Medicine (ANM)”あるいは「核医学 (日本核医学会機関誌)」に掲載される出版の二重性・余剰性を、「すでに印刷物あるいは電子媒体として出版された論文と本質的に重複するもの」と定義しております。これには、研究対象や研究患者群、方法論、結果およびその解釈の既出論文と同一性あるいは類似性が含まれます。図表やデータの既出論文からの使用も、二重出版に相当します。また、既出論文研究と同じ話題を取り扱う論文は、わずかな相違(たとえば症例数のわずかな増加)があっても二重出版に相当します。同じ研究のデータの一部を用いた論文投稿は、分割出版あるいはサラミ出版に相当し、やはり二重出版と判断されます。
これらの状態が含まれる可能性のある論文の投稿に際しては、筆者はそのことを編集者に通知すると共に、二重出版ではないと判断すべき理由を説明する必要があります。
ANMおよび核医学掲載論文で二次出版が許容されるのは、政府機関や学会によって制定されたガイドラインなどで、かつ、下記のすべての条件が満たされる場合のみです。
1. 著者が両方の雑誌編集者から許可を得ていること
2. 二次出版の論文が異なる読者を対象としていること
3. 二次出版の内容は、初版データおよび解釈を忠実に反映していること
4. 二次出版のタイトルページに記載される脚注において、その論文あるいは一部が過去に掲載されたことがあるという旨を読者、査読者、著作権管理機関に対して告知し、初出文献を示すこと
5. 論文あるいは一部を雑誌以外の媒体に発表することにより著作権が発生している場合には、その媒体管理責任者から、著者が二次出版の許可を得ていること
6. 本編集委員会で承認されること
英文論文と和文論文は同じ内容であっても二重投稿に当たらないと考える向きもありますが、上記の許可を得ていない場合には、国際的には異なる言語であっても二重投稿であると規定されています。
なお、疑義が挙げられた投稿論文に対しては、Annals of Nuclear Medicine の契約出版社であるSpringerのSpringer policy on publishing integrity (http://www.springer.com/?SGWID=0-102-2-1145421-0&changeHeader)やThe Committee on Publication Ethics (COPE) (http://publicationethics.org/)の方針などを参考として判断されますので、一読をお勧めいたします。
なお、二重投稿・二重出版であると判断された場合には、出版社や二重出版先の編集委員会等とも協議の上、一定の対応措置が取られます。その場合、筆頭著者のみならず、すべての共著者にも共同の責任があり、同様の措置がとられることがありますので十分にご注意下さい。