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「核医学診療施設における濃度限度等の評価に関するガイドライン」再掲載のご案内

日本核医学会会員の皆様

「核医学診療施設における濃度限度等の評価に関するガイドライン」(2013年11月1日公表)を再掲載させていただきます。

核医学診療は、疾病等に対して親和性の高い放射性医薬品を用いて、患者に苦痛を伴わない機能診断又は放射線治療を行う重要な診療手法です。特に、RI内用療法は、甲状腺がん・機能亢進症の治療、有痛性骨転移疼痛緩和及び低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に適用され、高い治療効果を発揮しています。近年、ホルモン抵抗性前立腺がんの骨転移治療に延命効果を発揮する医薬品として放射性塩化ラジウム(223RaCl2)が米国FDAで承認され、我が国においても臨床使用が現実のものになりつつあり、また、近年223Raの他、177Luや213Biなど新しい核種による臨床応用への開発も進められています。
2013年11月1日、日本核医学会では、この新しい核種による臨床使用を念頭に、核医学施設における管理に必要な基礎資料等の提供と放射線施設の安全管理を図るため、本ガイドラインを作成、公表しました。このガイドラインは当該核医学診療の実施に当たって、実施施設における放射線安全の確保及び医療の安全確保に寄与することを目的とし、日本核医学会内用療法戦略会議が作成したものです。
本年2015年6月には、衆議院第189回国会(質問番号第257号)にて、「わが国の放射性同位元素内用療法(RI内用療法)の現状及び今後の国の施策に関する質問主意書」が提出され、本ガイドライン等を踏まえた対応に関して質疑されました。これに対する答弁書には、政府として、本ガイドライン等を踏まえた対応を検討し、放射性同位元素による内用療法を含む放射線療法の更なる充実を図りたいとの文言が明記されています。
本ガイドラインに従えば、今後診療放射性同位元素使用施設のしゃへい線量等に関する基準の適合性に係る算定評価が緩和され、同一施設、同一設備でも従来よりも多くの放射性同位元素が使用出来る可能性が期待できますので、RI内用療法のさらなる発展に大いに寄与するものと考えております。
今回この国会答弁を受け、改めて本ガイドライン「核医学診療施設における濃度限度等の評価に関するガイドライン」を再掲載し、その内容を再度学会員の皆さんに周知するものです。

なお、現段階では、本ガイドライン内容は厚労省の通知等には取り込まれた段階にはありません。したがって、これに沿った運用はまだ実施できませんので、十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。

日本核医学会内用療法戦略会議
平成27年9月11日