Abstract | 「I. はじめに」 RIアンギオグラフィに現在使用されている薬剤は, 99mTc標識人血清アルブミン(99mTc-HSAと略), あるいは99mTc標識赤血球(99mTc-RBCと略)などである. しかしながら99mTc-HSAは, 静注投与後に血管外への漏出がみられ生体内での安定性に問題があるといわれている. 一方, 99mTc-RBCはin vitroの標識では手技が煩雑であり, in vivoの標識ではあらかじめピロリン酸を静注投与することが必要であり, また, 被検者の個人差による標識率の低下が指摘されている. Diethylenetriaminepentaacetic acid(DTPA)は, Bifunctional chelate剤であり, 99mTc等放射性核種とタンパク質分子を強固に結合させるため, 安定した放射性金属標識体が得られる. そこで, HSAにDTPAを結合させ, より安定な99mTc標識体であるテクネチウムヒト血清アルブミンD(99mTc-HSA-Dと略)が開発された. 本剤は従来の99mTc-HSAに比べ生体内安定性にすぐれており, 今回, 本剤を用いたRIアンギオグラフィを施行し, その有用性を検討したので報告する. |