Abstract | 「I. はじめに」肺血流シンチグラムは1963年Taplinらにより131I標識のヒト大凝集アルブミン(略してMAA)が開発され, 1964年Wagnerらがこれを臨床に応用して以来, 肺局所血流分布を知るために, 簡便かつ, 有効な方法として広く臨床に応用されて来た. 近年, 99mTc核種の出現により, その物理的特性による臨床上の有用性のため, 131Iにとって替りつつあり, MAAについても同様に99mTc-MAAの臨床応用が試みられている, 99mTc-MAAの標識操作は繁雑さが著しく軽減され, 短時間かつ簡易なinstant kitとなり, 標識中の術者の被曝も軽減され, 臨床的効果が検討されつつある. 著者らはこのような標識の簡便な99mTc-MAAをA社製品について使用する機会を得たので, その臨床経験を報告する. 「II. 方法」A社の製品はバイアル中にMAA: 2mg, 塩化第一錫: 0.23mgと緩衝液: 1mlを含んでおり, 2〜8℃の冷蔵庫内に保存され, 使用時に取り出してバイアルを良く振盪, 巨大凝集粒子が見られないことを確認し, 99mTcO4-を1〜4ml注入して, バイアルを振盪後, 10分間放置することにより99mTc-MAAが得られる. |