Abstract | 「はじめに」Cortisolは生命の維持に欠くべからざる重要なhormoneの1つであり, その測定の臨床的意義は大きい. 従来血中cortisolの測定には, 煩雑かつ精度, 感度共にあまりすぐれない螢光法による測定が行われてきたが, 1967年, corticosteriod binding globulin(CBG)を利用したCompetitiveprotein binding analysisがMurphyによって報告されて以来, 血中cortisolは簡単, 迅速にしかも1度に多数の検体を測定することができるようになり, また感度, 精度でも一層すぐれた測定法として普及した. しかし, Murphyの原法, および, それ以後の研究者の報告はいずれも3Hでラベルしたsteroidを利用したものであったため, 高価な液体シンチレーションカウンターを必要とし, 広く一般に行われるには至らなかった, 今回, 科研化学株式会社により発表されたRCC製Cortipacはウェル型のシンチレーションカウンターで測定できる75Se-cortisolを用いたcompetitive protein binding analysisであり, 我々は同社の御好意により本測定kitを使用する機会を得たので, その基礎的検討, ならびに他の測定法との比較について報告する. |