Abstract | (533-538) 柏木ら(阪大)は, 6例の蛋白漏出性胃腸症にTc-99mHSAあるいはHSA-Dを静注し経時的に腹部シンチグラフィを行い3例で3時間後に回腸に集積を認め, 残り3例では24時間後に大腸が描出され, 対照としての3例の慢性肝炎ではHSA-Dを投与するも24時間後に腸管は描出されなかったと報告し, freeのTcが胃より肛側へ流れ, false positiveの可能性がないかどうか質問があり, HSA-Dの標識率は高くその可能性のないことが示された. 螻ら(山形大)は, 甲状腺の描出のないことでHSA-Dの有用性を示し2例の蛋白漏出性胃腸症の綺麗なシンチグラム陽性像を供覧した. 瓜田ら(東邦大)は, In-111トランスフェリンを各種蛋白漏出性胃腸症7例と対照として血液疾患7例に投与し, 静注早期より漏出部位の同定が可能であり, 便中に排泄された放射能測定で対照に比し高値であったと報告し有用性を述べた, 座長よりTc-99m HSA-DとIn-111トランスフェリンとで漏出部位の発現時間に演者間で差があることの質問があり, HSA-Dも早期より描出されていたと返答があった. |