Abstract | 前期2年にひきつづいて, さらに2年間理事長として会務を担当させていただくこととなりました. 理事, 評議員, 幹事および広く会員の皆様のご理解とご協力を得て, 日本核医学会認定医制度も1990年1月1日より発足し, 今その細部を整えています. 財務上も, 前期は緊急の措置を講じましたが, 負債を負うことなく年度をこえることができました. 今後も財務の一層の健全化に努力いたします. 一昨年, 昨年と放射性医薬品に関わる薬事法, 健康保険法上の違反が指摘され, 会員の方々の多くがその影響を受け, 困難な時期を過ごされたことは残念に思います. 学会としても慎重にこの事態を受け止め, 各種の委員会, 討議会などへ役員などが出席し, 対応に最大限の努力を行ってきました. 関係当局へ学会の意見を会長より提出もいたしました. ご存知のとおり, 放射性医薬品は供給から廃棄まで厳しい法の管理の下にあります. 幸いわが国では他の一般医療廃棄物処理に先んじて, 診療に関する放射性医薬品の廃棄の道は拓かれておりますが, 薬事法および保険法上の違反については繰り返すことのないよう, 今後も学会の主催, ないし関連する講習会などで衆知徹底を図りたいと思います. 1988年にはアジア・オセアニア核医学会が台北で開かれ, 多数の方がご出席になりましたが, 今年8月末から9月にかけてカナダで第5回世界核医学会が開催されます. この国際的行事にも何卒奮ってご参加下さい. 多難な年を経てきましたが, 医学・医療の最先端ともいえるPETや高速SPECT, そして年毎に開発される放射性医薬品に支えられ, 医科学としての核医学の将来はきわめて明るいと思います. この専門をcarrierとする方にとって, 名実ともに明るい将来を保証できるよう, 学会としては, 認定医制度に伴う本専門の独立化, 地位の確立化にも一層の努力をすすめたいと考えます. 皆様のよい新年を願っています. 1990年1月 |