Authors | 松田博史*1, 絹谷啓子*1, 辻志郎*2, 寺田一志*3, 柴和弘*4, 小島一彦*5, 森厚文*4, 隅谷寿*1, 久田欣一*1 |
Abstract | 「I. はじめに」近年の中枢神経核医学領域の発展にはめざましいものがあり, シングルフォトンで標識された新しい放射性医薬品の開発と撮像機器であるsingle photon emission computed tomography(SPECT)装置の普及によって, 一般病院においても容易に断層像による局所脳血流情報を得ることが可能となった. 現在では脳における機能的情報を提供する手段として脳血管障害に加えて, てんかん, 痴呆, 躁うつ病, 精神分裂病などの疾患で臨床的有用性が認められており, 形態学的情報を提供するX線CTやMRIとともに一般診療上必須の検査となってきた. さらにSPECTによる中枢神経核医学領域では, 局所脳血流以外の機能的情報をもたらすとされる神経受容体分布の画像化が欧米にて報告されはじめており, わが国でも近い将来種々の神経受容体分布のSPECT像によって, 精神・神経疾患の解明, 診断, 薬物治療の効果判定, および治療方針の選択が可能になるものと期待される. |