Japanese
Title座長のまとめ 血栓
Subtitle第29回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors木村和文
Authors(kana)
Organization
Journal核医学
Volume27
Number5
Page557-557
Year/Month1990/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract(483-489) 本セッションでは, 血小板シンチグラフィに関する演題が6題あり, そのうち4題 (483〜486) は虚血結脳血管障害における頸動脈部血小板集積あるいは血小板動態についての検討で, 他の2題 (487, 488) は大動脈瘤における血小板集積についての検討であった. 最後の1題 (489) はIn-111標議fibronectinの血栓診断への臨床応用の報告であった. 演題483, 三重野ら (大阪大) は血管造影法と超音波断層法でみた頸部動脈硬化性病変の性状と血小板集積の関係について検討し, 血小板集積の程度はプラークの大きさに相関せず, 潰瘍形成など病変部の表面の性状によく相関することを示した. 演題484, 西巻ら (北里大) は脳梗塞またはTIA例における頸部血小板集積と脳血管造影所見を比較検討し, 両者は比較的良好に一致したと報告した. 演題485, 井坂ら (国立大阪) は脳血管障害における血小板寿命と血小板凝集能について検討し, 血管造影にて多枝病変のものほど寿命は短縮し, 凝集能は寿命と逆相関の関係にあることを示した. 続いて演題486で井坂らは同じく脳血管障害においてin vivo血小板集積とin vitro血小板凝集能の関係について検討し, 両者は逆相関することを示した. 演題487, 首藤ら (東京医大) は大動脈瘤における血小板集積について検討し, 血栓性閉塞に進行した症例, 経過中に末梢への血栓塞栓を併発した症例に強い血小板集積を認めたと報告した. 演題488, 恵谷ら (国立大阪南) は腹部大動脈瘤での血小板集積に対する抗血小板剤の効果を検討し, アスピリン投与によって7例中2例は陰性化したが5例は集積低下をみたもののなお陽性であったと報告した. 演題489, 上原ら (大阪大) はIn-111標識fibronectinについて昨年の動物実験に続き今回は臨床応用を試み, その体内半減期は4.3時間 (56%) および32時間 (44%) の2相性であり, 腹部大動脈の動脈硬化性病変部のシンチグラフィによる描出に成功したと報告した.
Practice臨床医学:一般
Keywords