Abstract | (476-482) 高齢化社会を迎えて, 閉塞性動脈硬化症や糖尿病による末梢循環障害が問題になってきており, その非侵襲的評価法が診断および治療効果の判定に重要になっている. 心プール法による動脈capacitanceの定量的評価 (477席, 奥山ら) では従来の方法に比べて測定値は異なるも, 本法による値が健常群では年齢と逆相関 (R=-0.708) を認め, 今後, 疾患群での検討が期待される. 糖尿病の末梢循環のCilostazolの効果の評価 (478席, 伊藤ら) ではTc-99m MAA動注法による下肢のシャント率の改善が認められており, 効果判定の有用な方法の一つと言える. Tl-201による閉塞性動脈硬化症の下肢筋肉摂収率の判定 (479席, 瀬戸ら) では従来の全身シンチグラフィ法と異なリ, 足底部および腓腹部の10分後の摂取率 (%dose) を測定するものであり, 非常に簡便で診断および手術後の治療効果の判定に利用でき, 今後広く普及することが期待される. 閉塞性動脈硬化症のバイパス術後の浮腫に対する核医学的アンジオグラフィの検討 (481席, 岩下ら) では下腿浮腫は急速な血液増加が原因と考えられ, 今後, 術後管理に役立つものと考えられる. 頭頸部癌動注療法時の薬剤の分布の検討 (482席, 目澤ら) では, 薬剤投与前にTc-99m MAAを動注して目的の部位に分布するかを確認することが臨床的に重要であることが再認識された. |