Abstract | (396-400) 消化管が動的imagingで詳細に描出されると, 病態の解明に役立つ. 核医学はもっとも適した手段の一つであるが, imageの重なりや微細病変のCHECKに欠けるきらいがあり, 他の臓器におけるほど, 一般的でない. しかし, 今回も数は少ないが, それぞれ興味ある発表がみられた. 396席 : 藤井博史 (慶大・放) は99mTc-pertechnetateによる唾液腺機能シンチグラフィを41例のSjogren症候群患者に対して複数回施行し, 摂取率, 排泄率などのparameterの変動と口内乾燥症状の増悪とよい相関が認められることを示した. 397席 : 石田治雄 (都清瀬小児病院・外) は99mTc-PMT肝胆道シンチグラフィにfactor analysisを行う標準曲線法を用いて, 動態機能解析を行った. そして, 胆道閉鎖症の術後においてその有用性を報告した. 398席 : 久保聡一 (京大・放) は11C標識エタノールを投与し, PETによる肝と膵の描出を試みた. 胃, 十二指腸に11C-エタノールの移行がみられ, 時間経過とともに肝に, 続いて膵が最後まで描出され, エタノールの臓器障害発症機序ばかりでなく, 今おくれている膵のimageへの応用も期待でき, 今後の研究の発展が望まれる. 399席 : 油野民雄 (金大・核) は消化管蛋白漏出に111In-トランスフェリン腹部イメージングの有用性について, α1-antitrypsin clearance testと比較検討し, 中等度以上の蛋白漏出例では, 漏出部位の診断も可能であるとした. しかし, 軽度例においてはさらに工夫が必要のようである. 400席 : 米島正博 (聖マ大・三内) は13C-パルミチン酸 (10mg/kg) を膵管結紮ラットに投与し, 経時的に13CO2呼気を捕集し, 赤外線分光計で分析した結果, 正常群に比べて低下し, 消化吸収試験として, 吸収不良症候群の診断にも有用であることを示した. 今後, 負荷するパルミチン酸の量の検討が望まれる. |