Japanese
Title座長のまとめ シンポジウム IV 核医学の精神神経機能への応用
Subtitle第29回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors久田欣一1, 倉知正佳2
Authors(kana)
Organization1金沢大学医学部核医学科, 2富山医科薬科大学神経精神科
Journal核医学
Volume27
Number5
Page519-519
Year/Month1990/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract核医学画像の精神神経機能への応用という時宜を得たシンポジウムであった. X線CTやMRIのような形態的診断法はほぼ限界に達しつつあり, 特に精神神経領域においては機能的診断法の重要性が今後ますます増大するものと考えられる. この点において, 核医学医と精神科臨床医の合同シンポジウムは今回がおそらく本邦で初めての試みであったものと思われる. 放医研および東北大サイクロからはPETと放射性神経伝達物質および受容体リガンドを用いたヒト脳における現時点での研究成果が発表された. ドーパミンおよびそのD1, D2受容体, ベンゾジアゼピン受容体の健常者および精神疾患患者におけるマッピングが紹介された. 精神科領域からはPETを用いて, 分裂病患者や感情障害者において精力的に研究成果をあげている国立精神・神経センターと横浜市立大からの発表があった. 精神科領域においては患者のインタビューによる主観的判定で症状を把握しているが, 診断や治療薬剤の選択, 効果判定などに核医学画像が今後果たす役割は大きいと示唆を受けた. 京都大学からはPETからSPECTへの転換という主題で発表があった. この発表で京都大学で開発された123I-iodospiperoneのヒト脳での画像が呈示された. 現在, 欧米では各種受容体に対するSPECT用123I標識リガンドが多数開発されており, ヒト脳への応用もすでに開始されている. 日常臨床に応用されるとすればPETよりもSPECTであり, 本邦でもいち早い導入が待たれる. 東京大学, 金沢大学からは脳血流SPECTの精神疾患への応用で現在まで得られた成果が発表された. 脳核医学においては, より詳細な局所脳機能分布の必要性が高まっており, 放射性医薬品の開発とともに装置の分解能向上が必須である. この点において, 現在PETでは3.5mm, SPECTでは6-7mm FWHMの装置が開発されており普及および成果が待たれる.
Practice臨床医学:一般
Keywords