Authors | 窪田靖志*, 杉原洋樹*, 中川達哉*, 片平敏雄*, 志賀浩治*, 川田公一*, 中村隆志*, 古川啓三*, 朝山純*, 勝目紘*, 中川雅夫* |
Abstract | 「I. はじめに」 近年, 冠血行再建術が多数例に施行され, 心筋梗塞症例にも対象が拡大されつつあり, 心筋viabilityの有無の判定は虚血部を支配する狭窄冠動脈の血行再建術の適応を決定するための重要な課題となっている. すなわち, この背景として梗塞部でも病理学的に残存心筋の存在する例のあることが知られ, 陳旧性心筋梗塞症例で高度に壁運動が低下しても, 冠動脈血行再建術後に改善する症例が存在するからである. この心筋viability判定のために心筋灌流状態の面からは201Tl心筋シンチグラフィを用いたり, また, 壁運動の面からはPost Extrasystolic Potentiation (PESP) 法, カテコールアミン, 亜硝酸剤などを用いた検討が試みられているが, 侵襲的であったり, 薬剤の選定など問題点を有するのも事実である. そこで, 今回は壁運動改善度の面より, 心プールシンチグラフィ法を用い, 簡便かつ比較的安全に施行可能な薬物負荷法, すなわち, isosorbide dinitrate (ISDN) およびこれにDobutamine静注を加えて局所壁運動を評価し, 運動負荷心筋シンチグラフィとの関連からその有用性を検討した. |