Abstract | (567-571)このセッションでは核医学機器とくにシンチカメラの性能に関する考察とデータ通信に関する研究が発表された. 荒井(北大)らは正方形(15×15)で平行長孔構造をもつ多核種汎用型甲状腺専用コリメータの性能をしらべたところ, 空間分解能は平行多孔コリメータのLEGPとLEHRの中間で, 感度はLEHRと同じであるが, 構造上から被検者に接近できるため, 臨床的にはLEHRより分解能の良い画像が得られることを報告した. また, 五十嵐(群大)らはシンチカメラのヘッド部の位置が変わると画像の不均一性が約±3%あることをNEMA法で測定した. この原因が地磁気によると提唱した. この不均一性をもつカメラをSPECT装置として使用すると, SPECT像の不均一性は±30%にもなるため, 軽視できないことを報告した. データ通信に関して, 遠藤(放医研)らはポジトロンCTの研究を組織的に遂行する目的で, 放医研ポジトロン核医学施設においてVAX-II 2台と全身用ポジトロンCTをEthernetを用いて接続するローカルエリアネットワークNIRS-PET NETの構築を行った. このネットワークでノード間の画像ファイル転送ができ, 研究用として有用であったことが報告された. また, 丸山(日立)らも画像処理装置HARPとパソコン間のデータやファイル転送が行えるパソコン通信を実現し, HARPのプログラム支援やパソコンに接続の入力装置から取り込んだデータのHARPへの転送などが行えたことが報告された. 市原(東芝)はディジタル化されたシンチグラムをX線フィルムに記録させる場合, 画質が一定になることが必要と考えた. プラナー像では直線的, また, SPECT像では2乗的に変化するコントラスト特性を利用して, フィルム複合感度補正を行い, 施設やオペレータが異なっても画質の変わらない画像を得ることができたと報告した. |