Abstract | (562-566)演題番号562より566までは「モノクローナル」として一括されたセッションではあるが, その前に行われたセッションである「Radioimmunoscintigraphy」の中の基礎的報告の範疇に入る演題である. 562は金大の横山らによる標識抗体の肝摂取機序および肝内での代謝に関する報告である. In-111は肝細胞内で経時的に上清からミトコンドリア分画へ移行しており, I-125と明白な対比を呈していた. これはイムノシンチ上肝の描出され方がIn標識とI標識で異なるという事実の機序を推定する興味ある報告であった. 563は東女医大の中野らによる抗メラノーマ抗体の集積部位を病理組織学的に検討した報告である. 抗体分布はメラニン分布と異なることを示していたが, 抗体は壊死部に集積したというデータは, イムノシンチの臨床応用に興味ある問題点を提示した. 564は京大の佐賀らのマウス-ヒトキメラ抗体の基礎実験である. キメラ抗体はマウス抗体と類似の挙動を示しており, HAMAの解決法の一つとして臨床応用に大いに期待されるものである. 565は金大の渡辺らによるオートラジオグラフィによる癌表面抗原の定量を試みた報告である. 免疫組織化学的に判定される定性的な方法に比し, 定量化できるという点, 実用化が期待される. 566は金大の村守らによるSPECTによる陽性小病変の検出能を核種の違いで比較検討した報告である. 抗体標識用核種はこれまで標識抗体の生物学的特性により論じられてきたが, 物理学的特性からもI-131は不利であることを明確に示しており, 興味ある報告であった. 本セッション最後に, 手違いで前日発表できなかった演題369京大の中井らがCA125IRMAを発表した. イムノシンチの動物実験でもきれいな腫瘍集積を示した抗体145-9を用いて, 良好なアッセイ法を報告した. |