Abstract | (548-552)演題548, 奈良医大腫放筒井らは組織診断し得た耳下腺腫瘍症例に, 99mTcO4- 10 mCiを静注, 50分後に酒石酸を口内に負荷し, 時間放射能曲線を作り, 唾液腺機能を評価するとともに, 唾液腺シンチグラフィの有用性を検討した. 良・悪性の鑑別には問題を残すが, 病変の検出はほぼ満足できよう. 演題549, 中国医科大学核医学科権らは, 99mTc phytate-Ca-gluconateを胃に注入後, 生食水15 mlで洗いながら抜管し, ミルク50 mlを飲ませて, 経時的に食道シンチグラフィを施行した. 食道裂孔ヘルニア12例中11例に胃・食道逆流(GER)を証明した. 逆流の高さによりGERの重症度を分類した. 演題550, 金沢大核医横山らは, In-111で標識したトランスフェリンを投与し, 蛋白漏出性胃腸症における消化管からの蛋白漏出の有無および漏出部位の検出を検討した. 6例中4例で漏出の存在を証明したが, 正常例で偽陽性は1例もなかった. 連続イメージングにより漏出部位も確認された. 演題551, 千葉大放射線科戸板らは, メッケル憩室における99mTcO4-シンチグラフィの有用性を検討した. 過去10年間に施行した60延症例をretrospectiveに検討し, 陽性所見を呈した症例は15例であったが, 偽陽性はなかった. 比較的稀な本疾患を10年間にわたって根気よくシンチグラフィを施行された集積に対し, 敬意を表する. 演題552, 順天堂大学浦安病院放射線科住らは, 大腸癌における67Gaシンチグラフィの有用性を検討した. 陽性率は約70%であったが, 陽性率は腫瘍の大きさおよび深達度に従って高くなる傾向があった. 陽性例は全例漿膜下への浸潤を認めた. 以上, 広範囲な核医学のめざましい進歩の中で, 独り取り残された観のある消化管のRI診断の部は, 今回も僅か5題であったが, 貴重な発表に対し熱心な討論が行われた. |