Japanese
Title座長のまとめ シンポジウムIV 抗体シンチグラフィー
Subtitle第27回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors小山田日吉丸, 佐々木康人
Authors(kana)
Organization国立がんセンター放射線診断部RI診断, 群馬大学核医学科
Journal核医学
Volume25
Number7
Page679-679
Year/Month1988/7
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract癌制圧の一つの手段として期待される (小山田) , RI標識単クローン抗体 (MoAb) の診断および治療への応用の現況と問題点が, in vitro実験, 動物実験, 臨床経験に基づいて論じられた. in vitroでの抗原と標識抗体の結合率は, in vivoでの標識抗体の癌への集積率と必ずしも一致しない (中村) . 抗体の生体内動態と代謝, 血中濃度, 標識核種と標識法などが免疫シンチグラフィ (RIS) の結果に影響する. 現在よく使用される131Iと111In標識にはそれぞれ得失がある. 111Inは肝への集積が多く, 131Iは遊離して甲状腺や, 胃へ集積する. 肝を除けば腫瘍/組織比は111In標識が高く, OC-125による卵巣癌の検出には111In標識とSPECTの組み合わせが有用である (Chatal) . また, 投与経路によっても集積, 分布が異なるので, 経リンパ管投与, 腹腔内投与が有効な場合がある. 核医学的に理想的な核種である99mTc標識抗体の臨床応用も試みられており, 良質のRISを得るために今後の研究開発が期待される (遠藤) . 抗原が細胞表面に不均等に分布しているので, 治療の目的には比較的飛程の長いβ線源, 131I, 67Cu, 90Y, 188Reなどによる標識が有効である (De Nardo) . 標識後に抗体活性が変化する可能性があるので, 再現性の良い分布を得るためには, その品質管理と抗体活性の評価が重要である (横山) . 抗原過剰血中に投与した抗体は全て中和されるとは限らず, また免疫複合体が細胞表面抗原に結合し, 細胞内に取り込まれ得る (和泉) . 臨床的にも血中腫瘍マーカ高値のRIS陽性率 (89%) と同陰性患者での陽性率 (74%) はあまり差がない (井上) . RISの悪性黒色腫検出率 (77.8%) は67Gaシンチグラフイ (69.2%) より良かった (石井) . HAMA出現率はwhole MoAbで高率で, F (ab') 2では低い. 131I-Lym-1をバーキットリンパ腫10例に最高97 mg, 300 mCi投与し, 7例で治療効果が得られた (De Nardo) . 治療前に薬物動態を熟知することが重要である.
Practice臨床医学:一般
Keywords