Japanese
Title座長のまとめ リンパ節
Subtitle第26回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors松田信
Authors(kana)
Organization
Journal核医学
Volume24
Number5
Page611-611
Year/Month1987/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract(445-450) 445, 446席は乳癌症例におけるリンパ節シンチグラフィーに関する演題で, 国立がんセンターの照井氏は99mTcレニウムコロイドを腫瘍内側の第3, 4肋骨骨膜に注射し, シンチ像と胸部X線写真を重ね合わせ, 描出リンパ節の部位診断を行った. この方法を用いると胸骨傍およびレベル2, 3のリンパ節の診断に有用であったという. また岩手医大の中里氏は腫瘍周囲組織に99mTcレニウムコロイドを注射し, リンパ流パターンを検討し, 乳癌例やリンパ節転移の有無でリンパ流が多彩に変化することを示された. 447席, 岡大の河野氏は, スペクトを用いた経内視鏡的RI-リンフォグラフィーを行い, 胃, 特に噴門部のリンパ流の画像化に有用であることを示された. しかし, RIを用いたリンパ節シンチグラフィーで, 癌転移のあるリンパ節は描出されるのか, されないのか, 描出されるとすれば, どのような像を呈するのか等, 質的診断がより明瞭に区別できるように今後の発展を期待したい. 448席, 東邦大の渡部氏はリンパ浮腫の診断に99mTc-MDPと99mTc-HSAを同時に皮内投与することによって, それぞれの単独投与例よりきわめて良好なリンパ管像を得ている. 一次性および二次性リンパ浮腫の鑑別に有用であると思われた. 449席, 同じく東邦大の新井氏は99mTc-HSAを用いて下肢リンパ流の半定量的動態観察を行った. 従来の方法では測定が困難であるリンパ流の減少している症例に温熱負荷を加え良い成績を示された. 糖尿病患者における浮腫はリンパ管機能低下もその一因であることを明らかにされた. 今後の発展を期待したい. 450席, 京都府医大の小沢氏は悪性リンパ腫において, 67Gaと99mTcレニウムコロイドによる同時シンチを行い, 67Gaと99mTcレニウムコロイドの相補的な性質を利用して腫瘍リンパ節の診断の質的向上を示し, 臨床上きわめて有用であることを報告された. 今後の発展を期待したい.
Practice臨床医学:一般
Keywords