Japanese
Title座長のまとめ 心新薬剤
Subtitle第26回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors前田和美
Authors(kana)
Organization
Journal核医学
Volume24
Number5
Page594-595
Year/Month1987/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract(257-260) このセッションでは新しい心筋イメージング製剤に関する演題がとり上げられた. 257席の東邦大の河村らはTc-99m HMDPを急性心筋梗塞発症後1〜4日に静注し, PYPと比較検討し, sensitivity, specificityともPYPと差異がなくHMDPは比較的早期に撮影が可能であり臨床上有用であることを示した. 258席の国循の西村らは心移植における拒絶反応の推移を評価すべく非観血的手法として標識抗ミオシンモノクローナル抗体を用いた動物実験を行い, 拒絶反応時に111In-antimyosin(AM)を静注し, 摘出心をシンチカメラによるイメージングを行い, 同時に病理所見, NMRによるT2緩和時間と対比した. AMの集積は中等度, 高度拒絶反応時に集積し, 病理所見とも一致し, T2緩和時間も延長した. これらの成績より心臓移植における拒絶反応の決定, 治療の推移を知る上で本法が臨床上有用であることを明らかにした. ただ臨床上拒絶反応は経時的に観察する必要があり, ミオシン抗体を頻回に使用可能かどうか問題があるように思われた. 今後の研究成果が待たれる. 259, 260席はハーバード大の玉木らがTc-99m isonitrileについて動物実験および臨床例を発表し関心を引いた. 259席では99mTc-hexakis-isonitrileのanalogとしてTBIが臨床上応用されたが, 肺や肝へのuptakeが高く, 必ずしもimage製剤として十分なものでなかったが, isonitrileの誘導体のうちTc-99m hexakis-2-methoxy methylpropyl isonitrile(99mTc-RP30)は心筋へのuptakeが早く, heart/liver比が高いことredistributionがみられなかった点で心筋イメージングに有用であるとし, 引続き260席では臨床例について検討し, Tlと同じく冠血流を反映し, 肺への集積は低く, redistributionはみられない利点を挙げ, この製剤が心筋血流イメージング製剤としてすぐれていると報告したが, Tlについで, 有用なイメージング製剤として今後大いに期待できるものとの印象を強く持った.
Practice臨床医学:一般
Keywords