Japanese
Title座長のまとめ PET臨床 肺・肝
Subtitle第26回 日本核医学会総会座長のまとめ
Authors国安芳夫
Authors(kana)
Organization
Journal核医学
Volume24
Number5
Page579-579
Year/Month1987/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract(62-66) わが国においてもポジトロン核医学は, 今日, 地についた着実な歩みを始めており, 臨床データが次第に出はじめている. このセッションは主として肝に関するものであったが, 活発な討論がなされ関心の深さが示された. 62席は肺癌の診断に関するもので, 日綱記念病院松田らは肺癌の画像診断にC-11標識glucoseとF-18DGを用い比較検討した結果, 腫瘍における糖代謝の面からもF-18DGの方がすぐれた画像を示すスキャン剤であることを報告した. 63席千葉大岡田らは, 68Ga塩による肺・肝同時イメージング剤の開発について述べ実際の臨床例についても報告した. タイクロトロンを使用しないgenerator systemからのポジトロン核種による放射性医薬品の開発は今後関心のもたれる分野の一つである. 被曝線量の問題, 粒子サイズのコントロールなど今後の検討が必要である. 64, 65, 66席については, いずれも東北大・抗研からの発表で, 64, 66席は肝癌にF-18DGalを使用した報告であるのでまとめて討論することにし, 64席を66席の後で発表して戴いた. 65席は, 東北大抗研, 山口らによるもので肝良性腫瘍である肝血管腫の診断に際し, ポジトロン核種のもつ定量性のよい点を利用した試みで, C-11標識赤血球を用い, 肝血管腫の血液量の測定を行い肝と血管腫の血液量の差を測定することによりPET上に肝血管腫を陽性像として描出できることを示した仕事であった. 66席山口ら, 64席福田らはともに肝癌の診断にF-18DGalを使用した結果についてである. F-18DGalは主として肝に存在するガラクトキナーゼにより燐酸化され肝に取り込まれる. 肝癌においてもこのガラクトース代謝機能は保持されていることから, 肝癌診断において, 原発性と転移性肝癌の鑑別診断が可能なこと, さらに肝癌の分化度診断の可能性についても言及した. いずれにしろ肝腫瘍の質的診断にポジトロン核医学がある役割を果たし得ることを示す報告であった.
Practice臨床医学:一般
Keywords