Authors | 米倉義晴, 阿部由直, 宍戸文男, 伊藤正敏, 木村和文, 松井謙吾, 渡辺克司, 飯尾正明, 橋本省三, 山口昂一, 一矢有一, 森厚文, 舘野之男 |
Abstract | (111-115) 最近の核医学のトピックスの一つに, 脳の機能診断があげられる. PETが局所脳機能の詳細な病態生理を明らかにし始めたことに刺激され, 基礎から臨床にわたる幅広い分野で活発な研究がなされている. 本セッションでは, 動物実験モデルによる血液脳関門 (BBB) の研究が1題, RI血管造影の検討に関する演題が1題, そして最近開発されたN-isopropyl-p-[123I] iodoamphetamine (IMP) の応用に関する3題の発表があった. 折井らは, グリオーマの移殖腫瘍を用いてラットのdouble tracer autoradiography法により, 腫瘍周辺でのアルブミンの挙動を調べた. 投与後, 時間の経過とともに腫瘍部から周囲へのひろがりが見られ, このモデルでは腫瘍周囲の水腫は腫瘍のBBB破壊部からのアルブミンの浸出によるものと報告した. 腫瘍周囲からの漏出の可能性について疑問が提起されたが, autoradiographyの特徴を利用したきわめて興味深い研究であり, 今後さらに詳細な検討が望まれる. |