Abstract | 「1. はじめに」SubramanianとMcAfeeが1971年に骨スキャンにTc-99m燐酸化合物を導入して以来その簡便さ, 安価とimageの良質さから骨スキャンは急速に普及し現在最も活用されている核医学imagingの一つである. また, 日常臨床的に骨外集積も少なくなく種々の病態, 疾患における報告がある. 今回われわれは横紋筋融解が疑われた患者にTc-99m Methylene Diphosphonate (Tc-99m-MDP) による全身骨スキャンを施行し横紋筋への集積を描出したことにより早期診断治療に役立った症例を経験したので報告する.「II. 症例」54歳, 女性, 既婚 主訴 : 腰痛, 下肢痛. 既往歴 : 高血圧 (5年前より) 服薬なし. 家族歴 : 特記すべきことなし. 現病歴 : 入院3日前より上気道炎症状あるも放置. S60. 12. 27起床時より両側臀部から両大腿下腿にかけて痛みがあったが, それ以前に外傷, 過度の運動, アルコール多飲, 痙攣などはなかった. 歩行を始めたところ激痛となり当院に救急搬送され入院. 現症 : 身長151cm, 体重58kg, 血圧150/100mmHg, 体温37.4°C, 意識清明. 苦悶表情. 心, 肺, 腹部, 両上肢異常なし. 外傷, 発赤, 腫張, 皮疹なし. 麻痺, 知覚障害, 病的反射なし. |