Abstract | 「I. はじめに」甲状腺刺激ホルモン (以下TSHと略) の血中濃度の測定は, 甲状腺機能の把握, TSH分泌動態の把握にきわめて重要であり, radioimmunoassay (以下RIAと略) が確立されて以来, 日常臨床検査に繁用されている. しかし, 現在多くの施設で使用されているRIAキットでは, 最低検出濃度が2μU/mlであり, 血中TSH濃度が正常上界ないしTSH高値例における指標としては有用であるが, TSH低値例での疾患の鑑別や治療の指標としては難点があり, さらに感度のすぐれた血中TSH測定法の開発が望まれていた. 今回, われわれはfrolescence isothiocyanate (以下FITCと略) 標識抗β鎖モノクローナル抗体, および2nd.IRP 80/558を用いた感度のよいTSHキット (TSH Magnetic Immunoradiometric Assay : TSH MAIA clone) を入手し, 基礎的ならびに臨床的検討を行ったので, その結果を報告する.「II. 方法」1. 試薬 : 本キットの構成は以下のごとくである. 1) 2種類の125Iで標識したTSH架橋部に対するモノクローナル抗体 (マウス) と, FITC標識抗β鎖モノクローナル抗体を含むリン酸緩衝液6.6ml. |