Authors | 高山輝彦*, 小泉潔*, 油野民雄*, 多田明*, 瀬戸幹人*, 関宏恭*, 分校久志*, 利波紀久*, 久田欣一* |
Abstract | 「I. はじめに」超音波断層 (以下「US」)およびX線CTの進歩普及に伴い, 腎シンチグラフィは, 腎内限局性病巣 (以下「SOL」) の検出能, 質的診断, 費用などいずれの点においても前二者に劣るようになり, その臨床的有用性は低下しつつある. しかし, 腎シンチグラフィは, USにくらべて検者の技能・主観的態度に依存することがなく, また腸管のガスに障害されることがないなどの利点を有している. またCTにくらべてヨード過敏症に留意する必要がないなどの利点を有しており, 施設によってはX線CTをもたず, 核医学的イメージングのみに頼らざるを得ない施設もある. さらに核医学的特徴として腎の局所的, 機能的様相が形態的情報とともに得られる利点を有するため, 腎シンチグラフィはUS, CTを補足するものとして現在でも依然として施行されているのが実状である. 腎シンチグラフィによる腎SOLの検出に際しては, SOLの大きさばかりでなく存在部位の違いにより検出能に差が生ずることが考えられる. |