Abstract | (485-490) 陣之内正史ら (宮崎医大・放) は頭頚部腫瘍の放射線照射前後の唾液腺シンチグラフィにより, 放射線による唾液腺機能障害を定量的に評価することを, 筒井重治ら (奈良医大・腫瘍放) はシェグレン症候群のステロイド治療例に唾液腺シンチグラフィによる治療効果の評価を行い, 治療前に唾液腺高度障害あるものほどステロイド治療によく反応すると報告している. 橋本禎介ら (慶大・放) は唾液腺シンチグラフィで耳下腺に陽性像を呈する疾患で最も一般的であるWarthin腫瘍はシンチグラムのみで病理組織診断が可能であることを長期にわたる症例より述べている. 唾液腺シンチグラフィが, 放射線治療における機能障害あるいは治療効果の評価のみならず病理組織診断の域に及んでいることは, 今後の研究に大いに期待が持たれる. 畠山六郎ら (筑波大・放) はRIによる食道機能の評価の一つとして, バリウム粥に粘度が似ている99mTcO4-とアラビアゴムの混合液で食道通過状況を解析し, シネ法と比較検討し, 食道機能特に粘膜面の状態をよく反映することを確めている. 多田 明ら (金大・核) は胃排出機能検査に市販されている流動食「オクノソー」を用いている. 従来の胃排出機能検査の検査食は固体あるいは液体が用いられていたが, 流動食はより生理的な胃排出動態がみられ, さらに今後このような研究において検査食を規格化することが, 他施設との比較に有用と考えられる. 谷口脩二ら (大阪市大・放) は消化管出血特に小腸, 大腸の出血巣検索に, 現在使用されている放射性医薬品7種について, 家兎を用いて血中濃度, 臓器分布, 調製時間等を比較し, それぞれの利害得失を検討している. |