Abstract | (378-384) 血液, 脾臓, 骨髄, 網内系のセッションでは計7題の発表があったが, このほかIn-111-oxineによるcell labelingの演題が各所にあり, これらを合わせるとかなりの演題数にのぼった. 378席, 名大, 斎藤氏は, 鉄欠乏性貧血の成因究明のため, 全身計測装置による鉄吸収率の測定と51Cr-RBCを用いた出血量の測定を併用して鉄需要と損失量を検討した. これらの成績と血清フェリチン値との相関が議論された. 379席, 天理病院の高橋氏は, 網内系機能測定法として抗D血清感作赤血球とNEM処理赤血球の血中クリアランスを99mTc標識赤血球を用いて検討し, 応用としてγ-globulin投与後のITP症例でみられる血小板増多がFc-レセプターのブロックによることを示した. 380席, 留萌市立病院の西條氏は, 塩化インジウムによる骨髄シンチグラフィーを再生不良性貧血3例で施行し, 骨髄生検所見とよく一致すること, 腎の描出が他疾患より著明であることを示した. 381席, 関東逓信病院, 井上氏は, 塩化インジウム法と99mTc-スズコロイド法による骨髄シンチグラムを比較し, 慢性骨髄性白血病, hemopoietic dysplasia, 赤芽球癆では両者の相違が認められることを示した. 382席, 福島医大一内, 高木は, 111In-oxine細胞標識を白血病細胞にはじめて導入し, 腫瘍細胞の増殖分化の研究に有用であることをのべた. 標識操作による細胞障害についての議論があった. 383席, 愛媛大, 飯尾氏はECTを用いた99mTc熱処理赤血球による脾シンチグラフィーを行いアドレナリン投与での収縮能を検討し, 細胞浸潤をみるものでは収縮能の低下を報告した. 各種病態での収縮機構についての質問があった. 384席, 福島医大, 核, 長井氏はラットKupffer細胞が血清の存在下で放射性コロイド貧食能を低下せしめること, 生体内の変化により貧食能が変化しうることをのべた. |