Japanese
Title座長のまとめ 15. (Q) リンパ系
Subtitle第23回 日本核医学会総会座長まとめ
Authors中沢緑
Authors(kana)
Organization
Journal核医学
Volume21
Number5
Page486-487
Year/Month1984/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract(372-377) 大きく分けて前半4題がリンパ流, 後半2題がリンパ 節に関する演題であった. (372) 佐貫栄一 (日大・放) らはリンパ管造影実施の際, Tc-99m-HSAまたは-MDPなどをリンパ管に直接注入することを提唱. リンパ節像に関しては造影以上に得る所見はないが, 浮腫等のリンパ流の異常, 鎖骨上リンパ節転移, 骨転移等の情報がRI併用により追加して得られ有用であるとした. (373) 廣田彰男 (東邦大・3内) らは, HSAとレニウムコロイドとの比較を, 下肢リンパ流動態観察において報告. 形態像はレニウムが優れているが, 動態観察にはHSAが適していることを25例の同一症例での両者の比較を用いて示した. (374) 大竹英二 (横浜市大・放) らはリンパ浮腫症例におけるTc-99m-HSAによるリンパ流動態観察の有用性を, 時間放射曲線と鮮明な画像により示し, 従来の放射性コロイドに比べ優れていると述べた. (375) 勝山直文 (琉球大・放) らはTc-99mレニウムコロイドによる乳ビ尿症の画像診断について報告した. リンパ管造影所見との一致は80〜90%と高く簡便さに利点はあるが, 元来レニウムが腎を描出する点に問題があると述べた. (376) 吉田宏 (大垣市民病院・特報) らは前立腺および坐骨直腸窩への直接刺入法による骨盤内リンパ節シンチグラムについて報告. 描出能は両者の刺入部位による差はなく, 悪性疾患では病期の進行に伴い所属リンパ節の描出が低下. 簡便さ安全性の点で坐骨直腸窩刺入法が推奨されるとした. (377) 熊野町子 (近畿大・放) らは術前の子宮頚癌症例のリンパ節シンチフォト像と手術病理所見とを比較, accuracyは80%でSteckelらと同様false positiveが高い傾向にあると述べた. RI法がリンパ流の把握に適している点で一致をみたが, リンパ節像の描出と解釈には今後ともまだ課題が残されていると言えよう.
Practice臨床医学:一般
Keywords