Japanese
Title座長のまとめ シンポジウムIV RIAの標準化とマス・スクリーニングへの応用
Subtitle第23回 日本核医学会総会座長まとめ
Authors入江実, 宮井潔
Authors(kana)
Organization東邦大学医学部第一内科, 大阪大学医学部臨床検査診断学
Journal核医学
Volume21
Number5
Page454-454
Year/Month1984/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract本シンポジウムは大別して2つの部分からなる. その第1は「RIAの標準化」であり, 精度管理が中心である. この問題につき東邦大・佐々木はWHO方式による精度管理と自己の成績を紹介し, 阪大・市原はコンピュータ利用による包括的な方法を述べ, 虎の門病院・柴芝らは日本アイソトープ協会における全国コントロールサーベイの成績を中心として現状とその分析について報告した. 基本的にはいずれも類似した方法による管理であるが, これらの方式による内部および外部精度管理は適切な測定を行う上に是非必要なものであることが強調された. 第2の主題は「RIAによるマス・スクリーニング」で, 内容的には対象として先天性疾患と成人疾患とに分けて発表された. まず先天性疾患としては内分泌疾患としてマス・スクリーニングが行われた最初の疾患であるクレチン症について千葉大・猪股らによる報告が行われ, 次に現在パイロット・スタディーが行われている副腎21-水酸化酵素欠損症について東京医歯大・下沢らによる報告がなされた. また国立公衆衛生院・芦沢らは胎児の神経管欠損早期発見のために欧米で行われている妊娠血中α-フェト蛋白の測定を, 帝京大・亀井はRIAによるトキソプラズス抗体, 抗原の検出につき発表した. 次に成人疾患については東邦大・兵頭らは成人の甲状腺機能異常症などにつき, 東女医大・村田らは妊婦甲状腺疾患につき, 阪大・網野らは出産後甲状腺機能異常症につき, 京大・遠藤は腫瘍のマス・スクリーニングについて発表を行った. これらのマス・スクリーニングはRIAの優れた感度, 特異性, 簡便性などから多量のサンプルを処理できるという利点を応用して始めて可能となったもので, その臨床的有用性はきわめて高いものである. その裏付けとしての精度管理はまた重要な要素であり, この2つの主題は現在のRIインビトロ検査の中で非常に重要視されているもので, その報告, 討議はきわめて有意義なものであった.
Practice臨床医学:一般
Keywords