Japanese
Title座長のまとめ シンポジウムII 医療用RIの廃棄をめぐる諸問題
Subtitle第23回 日本核医学会総会座長まとめ
Authors吉澤康雄
Authors(kana)
Organization東京大学医学部放射線健康管理学教室
Journal核医学
Volume21
Number5
Page452-452
Year/Month1984/5
Article報告
Publisher日本核医学会
Abstract本セッションの座長を担当するに当たって, 次の諸点を念頭においてその計画を立てた. 1. 医療行為の結果作り出されるRI廃棄物は社会問題であるとともに国際問題である. 核医学の行為はその渦中にある. 核医学関係者はそのことを十分に認識する社会的責任がある. 2. この問題の背景として, 原子力・放射線安全に対する社会の厳しさが増したこと, 環境問題全般に対する社会的関心とその厳しさが増したこと, および, 医療を視る社会の眼が厳しさを増していること, の3点に注目する必要がある. 3. 問題の発生場所は, (1) 医療用RI廃棄物の発生原点, (2) その終末点, および, (3) それらの中間点, の3つである. 問題解決のためには, 広い視野に立った総合的判断が必要である. また, (1) の位置にある医療関係者が (2) と (3) の現状を知ることは, この問題の解決に不可欠な前提条件である. この問題に長い間かかわって居られる5人のシンポジストに, 以下のテーマで発言をお願いした. 1. 医療機関RI問題検討会の立場から (名古屋保健衛生大・古賀佑彦) 2. 医療用RI廃棄物集荷経験の視点から (日本アイソトープ協会・菊地昂) 3. 法令規制の視点から (厚生省医務局・矢野周作) 4. 廃棄物処理処分の一般論の視点から (国立公衆衛生院・田中勝) 5. 放射性廃棄物処理処分の経験の視点から (日本原子力研究所・伊藤尚徳) 当日は, 予想をはるかに超える参加者を得て, 盛会であった. 医療用RI廃棄物の発生当事者である核医学関係者が, この問題に深い関心を持ち, 問題の重要性を認識しつつあることを改めて知り, シンポジウムを計画した者のひとりとして喜ばしく思った. 総合討論では, ラジオメディカルセンター建設の成功を希望する意見が出された. 本件に関して, 将来, 本学会から何らかの態度表明が行われるものと期待している.
Practice臨床医学:一般
Keywords