Abstract | 入江会長の決断により, 一般演題は7会場にわかれ, その補完措置として本学会で初めての試みとして総括討論会が催された. メーンテーマの1つとして腫瘍核医学が取上げられ, 一般演題座長の伊藤安彦, 森田陸司, 東与光, 利波紀久, 金子昌生, 細田四郎氏の参加を得て, 漆崎一朗氏と小生が司会した. 腫瘍核医学に関する58題の発表演題の各上記座長による概要の紹介とまとめは, イメージ診断Vol.1 No.4 (1981. 10) に掲載されているので, 具体的にはふれない. 腫瘍核医学は古くてなお新しい研究領域である. 筆者の私見では, 今後に残された研究課題として, 67Ga citrateを含む所謂癌親和性アイソトープ取込み機序の解明, 67Ga citrate腫瘍取込みの修飾因子特にenhancementのための方法, RIの投与のrouteおよび方法の工夫 (例えば粘膜, 皮下投与), 201Tl chlorideによる腫瘍スキャンの適応症の拡大などがあるが, 特に精力的に進めるべき研究方向としては, モノクロナル抗体によるradioimmunodetection, 腫瘍代謝基質の類似物質, functioning tumorのreceptor結合物質, pH shift agentなどによる腫瘍局在, さらに上述物質のpositron核種, single photon核種によるlabellingを挙げねばならない. |