Authors | 佐崎章*, 沢久*, 中嶋秀行*, 谷口脩二*, 福田照雄*, 井上佑一*, 下西祥裕*, 大村昌弘*, 池田穂積*, 浜田国雄*, 越智宏暢*, 小野山靖人* |
Abstract | 「I. はじめに」クエン酸ガリウムは, 悪性腫瘍に親和性を有することから, 悪性リンパ腫をはじめとして癌腫や肉腫の診断, 病期分類, 治療効果判定などに67Gaシンチグラフィ(以下Gaシンチと略す)は広く利用されている. また, クエン酸ガリウムは炎症性病変にも集積する性質をもっていることから, 膿瘍や肺炎など活動性炎症の診断にも応用されている. 最近Gaシンチの依頼が急速に増加してきているが, その理由のひとつとしてシンチカメラの分解能が著しく向上し, さらにthree peakを同時にとらえることのできる機構を有するために, 以前に比し短時間で鮮明なイメージを得ることができ, 読影が容易となり情報量も多くなってきたことによると考えられる. 米国では炎症病巣の検出に, 最近111In-oxine leukocyteが利用され始めているが, 採血や調製など, やや煩雑な面もあり, 本邦では炎症においてもGaが多く用いられている現状である. このたび, われわれはGaシンチによる炎症疾患の診断, 治療効果の判定などについて考察を行ったので症例を供覧し報告する. |