Abstract | (267-270) このセッションには脈管のRI検査が種々発表された. 267は99mTcレニウムを用いたリンパ節スキャンの臨床経験を述べた. 足背注射後15分で下肢, 骨盤腔内リンパ節が, 2時間で所属リンパ節が明瞭に描出された. しかし病的リンパ節は描出されないため, リピオドールによるリンパ管造影による正常リンパ節像を熟知することが読影の重要なポイントであった. 268は99mTc MDPを足背皮内に注射するとリンパ管内への摂取ならびに流速が計測され, リンパ浮腫症例の評価に有用であった. 269は99mTc MAAの動注法により糖尿病患者の末梢血行動態を評価すると共に133Xeクリアランス法を用いて皮膚・筋血流比を求め, 末梢循環障害の程度を測定した結果について有用なことを述べた. 270は悪性腫瘍に対する抗癌剤を直接動注法により投与する場合には薬剤の的確な腫瘍内分布をうるため, カテーテル先端の大動脈内の位置を99mTc MAAの注入により確認し正確を期する必要性を力説した. 以上本項演題のまとめを記述したが, リンパ節のRI造影の臨床上の必要性は高く優良な医薬品の開発が望まれる次第である. それは従来のリピオドールによるリンパ管造影は鮮明な画像は提供するが高等の熟練された術者を必要とすること, 異物を体内に注入するための副作用も軽視できないことにある. |