Abstract | 「I. はじめに」前立腺酸性フォスファターゼ(以下PAPと略す)は, 前立腺癌およびその上皮組織により合成される糖蛋白酵素で前立腺癌の診断に役立つ分子量約102,000の物質である. 従来血中PAPの測定は酵素測定法によっていたが, 最近になりPAPのRadioimmunoassayが開発された. 現在数種のRIAキットが開発されているが, 今回われわれは, Mallinckrodt社製の「RIA-Quant(TM)PAPテストキット」を使用する機会を得, その基礎的検討, 臨床的使用ならびに他検査法との比較を行ったので報告する. 「II. 測定原理および方法」125I-標識PAPと非標識PAPの特異抗体への競合結合を利用したRadioimmunoassayで抗原抗体反応の後, FreeとBoundの分離をPEG第II抗体により行う2抗体法である. 1)キット内容および測定方法 本キットは放射性ヨウ化前立腺酸性フォスファターゼ溶液(10μCi/22ml, 赤色液)と標準前立腺酸性フォスファターゼ溶液(0, 1.0, 2.0, 5.0, 10.0, 20.0, 40.0ng/ml), 抗前立腺酸性フォスファターゼ血清溶液(青色液)およびポリエチレングリコール抗第二抗体溶液を含む. |