Abstract | 「I. 緒言」近年, 核医学におけるin vivo検査においては99mTc標識化合物が多く使用されており, 数年前と比較すると内部被曝線量もだいぶ低減されるようになってきている. が, 反面, 核医学の普及に伴い検査の機会は増加の傾向にあり, この意味から被曝線量の正確な推定, 及び把握は重要な事の一つと考える. 今回, 著者らは当院にある全身スキャナーと核医学専用のミニコン, それに中型の範用コンピューターを使用することにより, 簡単に各臓器の被曝線量を算出する方法を考案したのでこの方法を述べ, 併せて今回測定した99mTc-phytate, 99mTc-macroaggregated albumin (以下, 99mTc-MAAと略記) , 99mTc-dimercaptosuccinic acid (以下, 99mTc-DMSAと略記) , 99mTc-ethylenehydroxy-diphosphonate (以下, 99mTc-EHDPと略記) の4種の99mTc標識化合物の計算結果を従来の検査との比較を加えて報告する.「II. 計算方法」内部被曝線量の計算法は核医学ではMIRD法がもっとも一般的に用いられており, 臓器S内の放射能による臓器Tへの平均吸収線量D (T) [rad] は D (T) =AsΣi ΔiΦi (T←S) …… (1) ただし, As : 線源臓器S内の累積放射能量 [μCi-hr] Δi : i 種放射線の平衝吸収線量定数 [g-rad/μCi-hr] Φi (T←S) = φi (T←S) /mt : i 種放射線の臓器Sから臓器Tへの比吸収率 [g-1] で計算でき, 平衝吸収線量定数Δiと, 比吸収率Φi (T←S) を求めるために必要な臓器の重さMt [g] , 吸収率φi (T←S) はパンフレットに載っている. |