Abstract | 「I. 緒言」シンチグラムの立体視に関する報告は, 1962年Levyらのシンチスキャナーによる甲状線の立体視, 又Charkesや栢森らによるファントームを使っての実験, 及びHarperらの臨床経験についての報告などがあるが, いずれもイメージング装置の空間分解能が不充分でかつテクネシウムが普及する以前の報告で充分な情報密度を得るには時間がかかり過ぎることが指摘されている. 筆者らはSn-pyrophosphate前処置による脈絡叢シンチグラムを報告しているが, 脈絡叢や静脈洞と共に描出される病的な異常集積像を分離するため立体視を試みた. 立体視の効果は予想以上大であったので更に基礎的実験と臨床上の適用について検討を行なった.「II. 方法と結果」[1. Model実験] 最も見やすく, かつ実物に近い立体感を再現するためのシンチカメラの振り角を求めるためファントームによる実験を行なった. Fig. 1に実験の概要を示す. ファントームには成形のため銅線 (1 mmφ) を通した内径3 mmφのシリコンチューブに99mTc-pertechnetate 200〜300μCiを充てん密栓し, 種々な形状にしたものを用いた. |