Abstract | 「I. はじめに」副甲状腺ホルモン (PTH) のradioimmunoassay (RIA) による測定は, 1963年, Bersonらにより初めて報告された. その後, PTHの測定は多くの研究室で行われるようになり, カルシウム (Ca) 代謝や骨代謝の研究の進歩に貢献した. 最近では, PTHの生合成, 分泌や代謝の解明にも, PTHの測定は利用されている. 著者らは, 高度精製ウシ副甲状腺抽出物をスタンダードおよびトレーサーに, これで免疫したウサギ抗血清を抗体に用いた, PTH RIA Kit (CIS) を使用し, その基礎的検討を行なうと共に, ヒト血中のPTH濃度を測定したので報告する.「II. 測定方法および検討対象」[1. キットの内容] diluentは0.5% BSA, 0.05% NaN3, 0.09% EDTA-Na2を含む0.05Mリン酸緩衡液 (pH 7.5) を用い, スタンダード, 抗体, トレーサーの希釈に使用した. PTHのスタンダードは, 0.02Mアンモニウム・アセテート (pH 4.8) に溶解されたウシPTH (Inolex) を使用した. PTHの濃度は, MRC 71/324のreference standardにて, ウシPTH 1 mg=2,700±450 IUから計算された. |