Abstract | 「緒言」In vitroのトリヨードサイロニン (T3) 摂取率測定は, 血清を標識T3およびT3を結合する性質をもったある不溶性の物質と混和, インクベーションして, 標識T3が血清中の結合蛋白 (TBP) とその物質とに分割して結合される反応を観察するものである. ここで標識T3と不溶性の結合物質との量は一定としてあるので, その物質が結合するT3の割合は間接的に血清中の結合蛋白の結合力を反映していることになる. ここに結合力すなわちbinding intensityは各結合蛋白のaffinityと, 不飽和のbinding site濃度に比例するものであり, 従って結合物質に結合される標識T3の割合は逆にこの両者に逆比例するものである. TBPにはthyroxine binding globulin (TBG), thyroxine binding prealbumin (TBPA) およびalbuminが存在することが知られているが, T3はTBPAには結合されないこと, albuminはaffinityが低いことからT3摂取率に関与するのは主としてTBGであり, また, 測定条件が一定であればaffinityは変動しないと考えられ, 従ってT3摂取率は主として不飽和TBGの濃度に逆比例するindexを測定していることになる. |