Abstract | 「I. はじめに」従来, 虚血性心疾患の診断に種々の方法が用いられて来たが, 虚血の程度, 部位, 範囲等を確実に把握できにくい欠点があった. 非侵襲的方法として, 43K, 86Rb, 131Csをはじめ数多くの放射性医薬品を用いた核医学診断法が行われて来たが, エネルギー, 半減期等に問題点があり, 広く用いられるに至らなかった. 1970年にKawanaらが, 199Tlによる心筋イメージングの可能性を報告し, 1975年にLebowitzらが, 201Tlによる心筋イメージングを発表して以来, 虚血性心疾患の診断への利用が急上昇した. 今回, われわれは第1ラジオアイソトープ研究所より201TlClの, またダイナボットRI研究所より99mTc-ジホスホネート調整用バイアルの提供を受け, 虚血性心筋疾患における201TlCl (以下タリウム) 心筋スキャン, 99mTc-diphosphonate (以下ジホスホネート) によるRadionuclide Angiocardiography (以下RIアンギオ) および心筋スキャンの核医学複合検査の有用性について検討を加えた. |