Abstract | 「1. はじめに」血中サイロキシン (以下T4とする) 濃度の測定には, 近年, 主としてRadioimmunoassayが用いられ, 各種のキットが発売され, 広く臨床的に応用されている. 日常臨床検査として, これらのキットを利用する場合, 操作が簡便で, 短時間に多数の試料の結果が知り得て, しかも測定値の正確性が要求される. 最近, 私たちは, ダイナボットRI研究所より, 血中T4 濃度測定用として, T4RIA (PEG) Diagnostic kitの提供をうけたので, 以上の観点より検討し, 臨床応用を試みたので, その成績を報告する.「2. 方法ならびに対象」T4RIA (PEG) Diagnostic kitは, 血清25μlを無抽出で用い, T4結合蛋白 (TBG) とT4の結合阻害には, 8-Anilino-1-naphthalenesulfonic acid (以下ANS) を用いている. また, B・F分離は, Polyethylene Glycol 6000 (以下PEG) で行われる. 測定操作は, Table 1のごとく原法に従った. また一部の血清では, Competitive Protein Binding Assay (以下CPBA) にても, T4濃度を測定した. 測定に用いた血清は, 採血後血清を分離し使用時まで-20°Cに凍結保存した. 保存期間は1ヵ月以内で, 凍結, 融解を1回のみ行った血清も含まれる. |