Abstract | 「はじめに」核医学診断能の向上と被曝線量軽減の目的から短半減期核種の利用が重要視されるなかで, 特に99mTc標識化合物の用途が年々拡大しており, 今日では各種標識用キットが市場に供給されるようになった. これらの99mTc標識用キットは, モリブデンジェネレーターからミルキングによって溶出された99mTcパーテクネテートを, 標識用試薬の封入されている無菌バイアル内に加えて, 沸騰水浴, 振とう, または通電などの簡単な操作を行うことによって容易に標識できるもので, 肝スキャンニング用試薬としてサルファコロイド, フチン酸塩(フィテート), スズコロイドがあり, 一般に利用されつつある. 今回われわれは既調製の状態で配付される99mTcスズコロイド注射液ならびに用時調製セットを種々の肝疾患に使用し, その検討を行ったので報告する. 「試薬・方法」99mTcスズコロイドは日本メジフィジックス株式会社より供給されたもので, 出荷時に既に標識化合物として調製され, 小バイアルから必要量を直接注射筒に採取して投与するスズコロイド注射液と, アンプル入りの塩化第一スズ0.08mg/ml水溶液1.5mlを, 同時添付されている3mCi/1.5mlの99mTcパーテクネテート入りバイアル(鉛シールド付き)に加えて振とう調製するスズコロイド用時調製セットの両者が使用された. |