Abstract | 核医学は, 原子核科学の急速な進歩につれて一医学分野として目覚ましい発展をつづけている. 基礎医学においても臨床医学においても放射性同位元素は日常欠くことのできない研究手段であり, 診断と治療のための強力な武器となっている. 極めて広汎な未知の領域が残されている医学分野であり, しかも比較的簡単な手技により貴重な研究成果がえられるので, 近代医学者の注視をあびている. わが国においても放射性同位元素の入手が比較的に容易となり, 測定器械や診断器具が国産されるようになって, 核医学に対する関心が深まり核医学人口も急激に増加してきた. 昭和36年には日本核医学研究会が設けられ, その11月25日に第1回研究発表会が開かれてからすでに3年有半を経過した. 核医学研究会で発表された研究の要旨は英文のJapanese Nuclear Medicine(Proceedings of the Annual Meeting of the Japanese Association of Nuclear Medicine)に掲載され, 毎年内外の核医学専門家に送られ声価をえている. しかし, 昭和38年11月末に核医学研究会が核医学会に発展し, 多数の核医学研究者, 臨床核医学者が会員として参加するにおよび英文誌だけでは用を満たしえないようになった. 学会活動の中心機関として, 学会活動の中核となり, 活動成果の記録・会員への通知・年次総会における発表研究と追加討論の記載・原著論文の掲載のために邦文の機関誌が必要となってきたのである・日本核医学会誌はこのような重い使命を担って今日誕生したのである. 日本の核医学とともに, 日本核医学会の機関誌である本誌が巻を重ね内容を豊かにし, 将来, 世界の中で有数の核医学雑誌のひとつとなることを祈り, また信じるものである. -昭和39年4月- |