関係学会医薬品等適正使用推進試行的事業実施要綱(2001)

関係学会医薬品等適正使用推進試行的事業実施要綱

1.題目

放射性医薬品の適正使用におけるガイドラインの作成

2.目的

 放射性医薬品を体内に投与して診断・治療を行う核医学の発展は目覚しく、この30年の間に最先端医療の技術として普及してきた。高解像力の形態画像を特徴とするX線CTやMRIに対し、核医学画像は放射性医薬品の代謝機能を反映した機能画像となり、各臓器や疾患特異性の高い診断法として日常臨床に取り入れられている。

 がんの骨転移を全身画像から診断する骨シンチグラフィ、狭心症などの虚血を早期に検出する心筋血流の断層(SPECT、Single Photon Emission CT、単光子放出CT)、そして脳血流障害を診断する脳血流SPECTなど、CTやMRIでは検出できない病巣局所の機能が非侵襲的に、且つ簡便に評価される。さらに、この10年間、最先端医療として研究的に使用されてきたFDG(F-18フルオロデオキシグルコース)は、がんや心筋梗塞、てんかんなどの究極的な画像診断薬になることが判明し、“PET(Positron Emission Tomography、陽電子放出断層)”の代表として親しまれつつある。

 一方、歴史的にも最も古くから利用され、甲状腺疾患の診断・治療に不可欠の放射性ヨウ素(I-131)は、バセドウ病や甲状腺癌の治療薬として今日でも高く評価されている。殊に、バセドウ病のアイソトープ治療は、平成10年6月に厚生省安全対策課長よりI-131の退出基準が通知されて以来、多くの患者が外来治療されるようになり、欧米並みに広く普及している。

 また、センチネルリンパ節シンチグラフィは、がんの砦となるリンパ節を検出する高感度の検査法として一躍、臨床の場でクローズアップされ、外科治療の術式を決定する不可欠の手法と評価されている。

 このように核医学が急速に普及する中で、放射性医薬品の使用に伴う放射線被ばくについては、充分な情報が会員に浸透していない。本事業は、患者のみならず、医療従事者、そして一般公衆の放射線防護を念頭に置いた放射性医薬品の適正使用に向けて、学会としてガイドラインを作成し、情報提供とフォローアップシステムを確立して会員への周知徹底化を図るものである。

3.事業内容

(1)安全性情報の収集と評価

 下記の項目毎に小委員会において情報収集・評価を行う。

①核医学検査における放射性医薬品の適正使用

・ 安全性関連情報の収集・評価 ・検査適応 ・放射性医薬品投与量と検査法 ・結果の解析法 

・ 診断能 ・被ばく線量 ・他の検査法との比較 ・医療経済効果を含めた有用性の総合評価

②核医学治療における放射性医薬品の適正使用

・日本人のバセドウ病の病態に関する最新情報の収集

・I-131治療患者の選択と同意取得 ・甲状腺重量、I-131摂取率他の測定 ・I-131治療

・経過観察と治療効果判定 ・安全性の評価 ・I-131の適正使用に関するガイドライン作成

③センチネルリンパ節同定法とリンパ節シンチグラフィ

・世界的にある多くの文献を整理し、重要な文献をエビデンスとして評価

・センチネルリンパ節の概念が成り立つ癌腫の同定 ・適応する悪性腫瘍 ・センチネルリンパ節同定法 ・リンパ節シンチグラフィ法 ・使用する放射性コロイドと粒子径 ・放射性コロイドの使用量 

・センチネルリンパ節同定法とリンパ節シンチグラフィによる手術式の変更率及び寄与率

・センチネルリンパ節同定法とリンパ節シンチグラフィによる予後推定、あるいは経済効果

(2)情報提供と情報提供後のフォローアップ

 「適正使用のためのガイドライン」を会員に公開し、会員からの問い合わせに応える。

4.報告書の作成

 以上の調査検討の結果を総括して報告書を作成し、期日までに提出する。

5.業務の実施期間

 契約日から平成14年3月29日

6.事業計画

(1)事業実施者

(2)事業スケジュール

   項目/月        2   3

   事業実施計画      ○   ○

   適正使用評価委員会   ○   ○

   情報収集・評価     ○   ○

7.提出物件及び提出期限

 調査報告書1部を平成14年3月29日までに提出すること。

8.特記事項

(1)本契約後、直ちに調査計画書を提出すること。

(2)本業務実施に当たっては、厚生労働省担当官との密接な協議のもとに進めること。

(3)本業務の実施により知り得た事項(患者情報等)については秘密を厳守すること。

(4)本業務を行う他の医療機関と協議を行う場合には、個別の患者が特定されないための措置を講ずること。

役立つ情報

 

核医学治療

 

医療機関向通知・通達

 

ガイドライン

 

診療報酬等