平成27 年 新理事長のご挨拶

一般社団法人 日本核医学会
理事長 畑澤 順
平成27 年度の日本核医学会学術総会(小泉潔会長)で、井上登美夫理事長から引き継ぎ日本核医学会理事長に就任いたしました。核医学診療の普及、発展のために全力を尽くしますので、会員の皆さまのご支援をよろしくお願い申しあげます。核医学は、原子の力を安全に医療に役立てる分野です。甲状腺内用療法にはじまり、ラジオイムノアッセイによる検体検査、シンチスキャナーによる体外計測、γ カメラ、PET による画像診断と発展し、日常診療になくてはならない存在に成長しました。先達の会員の先生方の成し遂げられたご業績に心から敬意を表し、それを受け継ぎさらに発展させ、次世代の会員の先生方にバトンを渡したいと思います。

核医学は“可能性のある若い学問分野・診療科”です。放射性核種発見以後の120 年は成熟した核医学診療への助走であったように思えます。成熟した核医学とは、原子の力を利用して
行う診断と治療が一体化した医療(核医学theranostics)です。ようやく、おぼろげながらその姿が見えてきました。放射線診断科とは違う、放射線治療科とも違う、さらに高い専門性が必要な診療領域です。井上前理事長は分子イメージング戦略会議(千田道雄委員長)、内用療法戦略会議(絹谷清剛委員長)を組織しました。目指すのは成熟した核医学です。世界に冠たる貢献をしてきた核医学画像診断に比べて、様々な制約のために世界に冠たるところまでは達していないのがわが国の核医学治療の現状であろうと思います。このアンバランスを解消するために、今後、治療用放射性核種の製造・自給体制の整備、精製技術・製剤化・輸送・医療施設・治験体制の整備、規制当局との交渉など、学会としてできることに取り組んでまいります。

核医学の大きな柱は、安全性の追求です。患者さんとご家族、医療従事者、研究者の方々の被ばくの軽減、社会のご理解が欠かせません。昨年、小児の核医学検査の投与量の最適化を目指して、Nuclear Medicine Global Initiative が小児核医学の世界的なアンケート調査(内山眞幸委員)を行いました。会員の先生方のご協力のおかげで全回答数320 施設中、日本からの回答が98 施設と飛び抜けて高く、大いに賞賛されました。さらに、原子放射線の影響に関する国連科学委員会の調査(UNSCEAR Global Survey)を行っています(石井一成委員長)。

日本核医学会は、世界核医学会の招致に向けて活動しています。日本の核医学診療・研究に対する世界各国の関心は高く、2016 年SNMMI でのHighlight Country、2017 年アジアオセアニア核医学会開催(井上登美夫会長)がすでに決まっています。「核医学Theranostics、安全性の追求、国際化」をキーワードに、医療と社会における日本核医学会の役割を果たしていきたいと思います。

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